メタバースで移住促進-止まらぬ人口減少に挑む

大きな労力を伴う「移住」という選択。メタバースは新たな人生の一歩を踏み出すきっかけになるしれない。2023年8月28日、株式会社AnyWhereは、秋田県から業務委託を受け、メタバースを活用した移住促進イベントの企画・運営を行うと発表した。

働き方や仕事場の構築支援を行う株式会社AnyWhere(本社:東京都武蔵野市、代表取締役CEO:斉藤晴久、以下AnyWhere)は、秋田県からメタバースを活用した移住促進イベント業務を受託し、企画・運営を実施することとなりました。
全国の移住希望者と秋田県の自治体や地域の事業者、先輩移住者などをメタバース空間でつなぎ、コミュニティの形成と移住促進を目指します。

新しい働き方や仕事場をつくるAnyWhere、秋田県より受託し、メタバースを活用した移住促進イベントを開催 ~ オンラインイベントとメタバース空間での移住相談で地域と移住希望者をつなぐ~|株式会社AnyAhereのプレスリリース

メタバースで移住を後押し-イベントの背景

新しい働き方や仕事場をつくるAnyWhere、秋田県より受託し、メタバースを活用した移住促進イベントを開催 ~ オンラインイベントとメタバース空間での移住相談で地域と移住希望者をつなぐ~ 株式会社AnyAhereのプレスリリース

今春に秋田県は「あきた移住・交流メタバース万博2023」をメタバース空間上にオープン。秋田への交流・移住促進をテーマに掲げ、県内の市町村や移住に関する情報発信、イベントを行ってきた。これほど注力しているのは、人口減少率が10年連続で都道府県ワースト1位であることが背景にあり、県一丸でPRに取り組んでいる。そこで今回、イベント実施に名乗りを上げたのが、株式会社AnyWhereだ。同社は本イベントを「自分を知り、地域を知り、ライフキャリアから移住を考える」と銘打ち、秋から年末にかけて全4回のイベントを開催予定。移住経験者や有識者をゲストに招き、オンライン来場者の秋田県への移住を後押しする。

現地に行かずとも、移住のイメージが具体的に

時間・体力的な問題で、移住を諦める人は多い。しかしメタバースを活用することで、よりリアルな情報や雰囲気に触れ、移住のイメージが具体的になる効果が期待される。AnyWhereは「世界中の誰もが、どこでも豊かに働き生きられる社会へ」をビジョンに掲げ、多様なワークスタイルを支援する事業を行っている。プラットフォームの構築のほか、システム開発や自治体へのコンサルティングの実績も豊富で、人と人がつながるきっかけを生み出してきた。同社が牽引する本イベントは、移住を検討したことがある人にとって、移住欲求の再燃、ライフプランの見直しにつながるかもしれない。

終わりに

リアルに近い体験ができるのが、メタバースの代表的な特徴だが、「リアルじゃなければ意味がない」という意見は間違いなく存在するし、抵抗感を持って見る人・業界も少なくない。しかし昨今のメタバースの浸透は「現実のみに価値を置けば、あらゆる可能性や選択肢が狭まる」と我々に啓示しているように取れる。今回で言うと、入念な下見ができないから移住を断念しかけている人は、本イベントに参加するかどうかで今後の人生が大きく変わる可能性が十二分にある。そう考えると、現実に起こる・起こらないの二項対立でメタバースの価値を判断するのは、おそらく早計だ。人々が新しい行動を起こす「きっかけ」としての役割を、これからのメタバースに期待したい。

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